写真はありますか?Fishbyアプリで瞬時に魚を識別できます。
アプリを開く説明
クチジロ(Serranus cabrilla)は、スズキ目ハタ科セラヌス属に属する海水魚です。地中海、東部大西洋、黒海に広く分布し、岩礁域や海草藻場に生息します。体色は変異に富みますが、一般的に赤褐色からピンクがかった色合いで、体側には数本の暗色の縦縞と、その上に垂直の縞模様が見られます。比較的小型のハタの仲間で、最大で40cm程度に成長します。肉食性で、主に小型の甲殻類や魚類、頭足類を捕食します。雌雄同体(同時的雌雄同体)であり、繁殖期には複雑な求愛行動を示します。釣りや食用としても利用されますが、商業的な重要性は高くありません。
身体的特徴
- 体形
- elongated
- 体色
- 体色は赤褐色からピンクがかった色合いで、腹部は淡い。体側には通常7-9本の暗色の縦縞があり、その上に不規則な垂直の暗色帯が数本現れることが多い。鰓蓋には青い斑点が見られることがある。
- うろこのタイプ
- ctenoid
- 口の位置
- terminal
- 特徴的な部位
- 体側の縦縞と垂直帯の組み合わせ, 下顎が上顎よりわずかに突出する, 鰓蓋の縁に3本の棘がある
- 背びれ
- 1本の背鰭で、棘条部と軟条部が連続する。棘条は10本、軟条は13-15本。
- 尾びれ
- 尾鰭はわずかに湾入するか、ほぼ截形。
- 胸びれ
- 胸鰭は比較的大きく、丸みを帯びる。
- 特徴的なひれ
- 臀鰭は棘条3本、軟条7-8本。腹鰭は胸鰭のすぐ下にある。
識別のコツ
体色と模様
赤褐色からピンクがかった体色に、体側の縦縞と垂直帯の組み合わせが特徴的です。特に、鰓蓋の青い斑点も識別の手がかりになります。
下顎の突出
下顎が上顎よりもわずかに前方に突き出ている点を確認します。
鰓蓋の棘
鰓蓋の後縁に3本の鋭い棘があることを確認します。これはセラヌス属の共通の特徴ですが、種の識別に役立ちます。
背鰭の棘条数
背鰭の棘条が10本であることを数えることで、近縁種との区別が可能です。
生息地
- 水質タイプ
- saltwater
- 生息水深
- 水深0mから500mまで生息するが、通常は15mから100mの範囲でよく見られる。
- 環境
- 岩礁域、砂泥底、海草藻場(特にポシドニアの藻場)に生息する。単独で行動することが多い。
- 分布域
- 東部大西洋(イギリス海峡からアフリカ西岸、アゾレス諸島、カナリア諸島、マデイラ諸島を含む)、地中海全域、黒海。
アクアリウム情報
- 飼育難易度: intermediate
- 性格: semi-aggressive
- 食性: carnivore
- 最小水槽サイズ: 200リットル
- 水温: 18-24°C
- pH値: 8.1-8.4
- 硬度: 8-12 dKH
- 混泳の相性: 同種や小型の魚に対しては攻撃的になる可能性があるため、注意が必要です。同程度の大きさで丈夫な魚との混泳が望ましいです。
- 特別な注意点: 十分な隠れ家となる岩や洞窟が必要です。生餌や冷凍餌を好みます。水質悪化には比較的敏感なため、良好な水質維持が不可欠です。
野生での情報
- 保全状況: least concern
- 旬の時期: 繁殖期は春から夏にかけて(地域による)。年間を通して漁獲されるが、春から初夏が旬とされる。
- 市場価格: 地域により異なるが、比較的手頃
- 商業的重要性: low
- 味: 白身で淡白、上品な旨味
- 食感: しっかりとした身質で、加熱しても崩れにくい
- 調理法: グリル, フライ, 蒸し料理, スープ
- 栄養価: 高タンパク質、低脂肪。ビタミンB群やミネラルを含む。
重要な事実
同時的雌雄同体behavior
クチジロは、一つの個体が精巣と卵巣の両方の機能を持つ同時的雌雄同体です。これにより、繁殖の機会を最大化しています。
縄張り意識behavior
単独で行動することが多く、特に繁殖期には縄張り意識が強くなります。他の魚や同種に対して威嚇行動をとることがあります。
擬態の達人amazing
体色は生息環境や気分によって変化させることができ、周囲の環境に溶け込むことで捕食者から身を守ったり、獲物に忍び寄ったりします。
安全情報
取り扱い注意- 安全レベル: caution
- 有毒: いいえ
- 食用性: edible
- 取り扱いに関する注意: 背鰭、臀鰭、腹鰭の棘条は鋭く、刺さると痛みを伴うことがあります。取り扱いには手袋を着用するなど注意が必要です。毒性はありませんが、傷口から細菌感染する可能性があるので、刺された場合は消毒してください。
類似種
Painted Comber
Serranus scriba
Serranus scribaは、鰓蓋に鮮やかな青い斑点とオレンジ色の帯があり、体側の模様もS. cabrillaとは異なります。S. scribaの体側には、より明瞭な垂直帯が目立ち、縦縞は不明瞭なことが多いです。
Brown Comber
Serranus hepatus
Serranus hepatusは、より小型で、体色が全体的に暗褐色であり、体側に数本の不明瞭な垂直帯が見られますが、S. cabrillaのような明瞭な縦縞は通常ありません。また、背鰭の棘条の基部に黒い斑点があることが多いです。
学名分類
- 界
- 動物界
- 門
- 脊索動物門
- 綱
- 条鰭綱
- 目
- スズキ目
- 科
- ハタ科
- 属
- セラヌス属
- 種
- Serranus cabrilla